jiyouの日記

2007-09-17本より思い切て候

本より思い切て候

【もとよりおもいきりてそうろう】

富木殿御返事

文永九年四月 五十一歳御作 於 佐渡一の谷

御返事

 日蓮臨終一分も疑無く頭を刎(は)ねらるる時は殊(こと)に喜悦(きえつ)有るべし、大賊(ぞく)に値(あ)うて大毒を宝珠(ほうじゅ)に易(か)ゆと思う可きか。


 鵞目(がもく)員数(いんずう)の如く給(た)び候い畢(おわ)んぬ御志申し送りく候、法門の事先度四条三郎左衛門尉殿に書持せしむ其の書能く能く御覧有る可し、粗(ほぼ)経文を勘え見るに日蓮法華経の行者為(た)る事疑無きか但し今に天の加護を蒙(こうむ)らざるは一には諸天善神此の悪国を去る故か、二には善神法味を味わざる故に威光勢力無きか、三には大悪鬼三類の心中に入り梵天帝釈も力及ばざるか等、一一の証文道理追(おつ)て進せしむ可く候、但(ただ)生涯本より思い切て候今に翻返(ひるがえ)ること無く其の上違恨(いこん)無し諸の悪人は又善智識なり、摂受折伏の二義 仏説に依る、敢(あえ)て私曲に非ず万事霊山浄土を期す、恐恐謹言。

卯月十日

日蓮花押

土木殿