ダルマ

ダルマ

[dharma]


サンスクリット語で法のこと。


中村元博士の『仏教語大辞典』によると、以下の意味がある――


1.慣例。習慣。風習。行為の規範

2.なすべきこと。つとめ。義務。ことわりのみち。

3.社会的秩序。社会制度。

4.善。善い行為。徳。

5.真理。真実。理法。普遍的意義のあることわり。

6.全世界の根底。

7.宗教的義務。

8.真理の認識規範、法則。

9.教え。教説。仏の教え。

10.本質。本性。


dharma は、語源的には「支える」という意味動詞√dhr-の名詞形で、「支えるもの」という意味である。事物を事物たらしめ、人間人間たらしめ、社会社会たらしめるものという意味であり、「真理」「道徳」「規範」「法則」「義務」「宗教」などの意味を持つ。さらには、そうしたことについて説かれた「教え」という意味でも用いられる。また、その「法」によってそうあらしめられた「事物」という意味も持つ。従って dharma には「事物」という意味と、「事物を事物たらしめるもの」という両方の意味を併せ持っていて、話が混乱しやすい。それで、「法を法たらしめるもの」という意味の dharmata (法の本性、法性)という語を使って両者を使い分けたように見受けられる。

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