不飲酒戒

不飲酒戒

【ふおんじゅかい】

小乗戒の根本をなす戒の一つ。

大聖人・戸田先生もお酒はたしなまれたので、末法において一概に禁じることは飛躍した論理であるが、殺害をし、物を盗み、淫愛に耽り、「飲酒」をすると、叫喚地獄に堕すと仏法上は定義されている。

これは、末法以前、あるとき、五戒を持っていた在家の男性信者が、旧友の訪問を受け、酒を強くすすめられるも、仏の強い戒めがあるとの理由で一度は断ったものの、結局酒を飲み、正念を失ってしまい、隣家の鶏を食べ(殺生・肉食)、隣家の妻が訪ねてきたのをこれを姦し(邪淫)、結局全ての五戒を破ってしまった。このような事件が契機となって、仏道修行者にとっては飲酒は修行を妨げる為に、飲酒を罪とし、戒とした。

冒頭に述べたように、大聖人の仏法は、円教の故、小乗の五戒は持つことはなくとも御本尊受持と折伏行の中に包摂されるが、飲酒の結果がもたらすものが、人生を狂わす場合があることは今日も変わらない。また、それ自体罪ではないが、結果として犯罪に至る可能性があるものとの認識で小乗戒は形成されるが、時と所に応じて、仏が定めた戒を、「遮戒」という。

因に一般の婦女子ではなく、持戒の比丘尼(=仏道修行に励む婦女子)を甘言等をつかいたぶらかしたり、邪淫を行うことは、五逆罪(無間地獄)の一歩手前の大焦熱地獄の業因となる。これは、淨戒の比丘尼を犯す事は、厳密にはその者を仏法から退転させ、信を不信にかえ、結果として地獄に堕とさせてしまう故に、間接的な破和合僧、仏法への反逆行為となるからである。