無明

無明

【むみょう】

1.過去の一切の煩悩のこと。十二因縁の第一にあたる。

2.無明惑のこと。法性に対する語。三惑の一つ。成仏を妨げる一切の煩悩根本であり、別教および円教によって断ずべき煩悩とされるが、法華経の本門によれば、無明と法性とは衆生の一念に相即して具(そな)わり、無明法性体一(無明即法性)であると説かれる。また、元本の無明第六天の魔王の働きによって生ずることから、その働きを無明惑、無明の惑障ともいう。別教で十二品、円教で四十二品の無明を立てる。文底下種仏法では、むしろ大いなる煩悩の薪(たきぎ)に菩提の火を点じ、盛んにし、無明即法性と顕すのである。日蓮大聖人は御義口伝に「此の本法を受持するは信の一字なり、元本の無明を対治する利剣は信の一字なり」(751頁)と述べられ、三大秘法御本尊を受持する信の一字によって無明を法性に転ずることができると明かされている。

《元本の無明無明惑》《反:法性》

御書/当体義抄(510頁)、御義口伝(710頁)