無財餓鬼

無財餓鬼

【むざいがき】

財物がなくて貪る餓鬼のこと。無財鬼ともいう。餓鬼の一種。極めて貧しいために食物を食べることができない餓鬼。順正理論巻三十一に無財鬼・少財鬼・多財鬼の三種の餓鬼が説かれる。そのおのおのが三つに分類され、無財鬼には炬口鬼(こくき)鍼口鬼(しんくき)臭口鬼(しゅうくき)がある。炬口鬼は慳貪(けんどん)の科(とが)による結果で、口の中に常に火を吐き、赤々として絶えることのない状態をいう。鍼口鬼は腹が山谷のように大きく口が針の穴のように小さいので、どんな美味なものも食べることができず、飢渇が忍びい状態をいう。臭口鬼は口中より常に極悪腐乱の臭気を出し、常に吐き戻しているが何もでない。たとえ飲食にあっても受けることができず、飢渇して狂い叫び、乱奔するとされている。