現世安穏

現世安穏

【げんせあんのん】

法華経薬草喩品第五に説かれる経文。通常、「後生善処」と一括りで用いられることが多い。法華経を行じる者は、その現世は安穏で、死後も守られ、来世は幸福な生を享受出来るという内容だが、これは本果妙の行き方であり、大聖人の観心の立場より拝すれば、難を受け、宿命を転換し、生命力を鍛え上げる中に、境涯もより強固になり、依正不二の方程式から、自身と環境もよりよい方向へと変化していくという本因妙の生き方となる。

また、安楽行品や陀羅尼品には、諸天の行者守護が明記されているが、己心の仏界が諸天を呼び起こし、守護させるのであって、「御義口伝」で安楽行品を、「難が出来することをもって、安楽と心得べき」(趣意)と釈されるように、何よりも強い一念と、何事にも紛動されない決意が御本尊と境智冥合して初めて、現世安穏を成就が可能となる。

この意味で、「一人立つ精神」という学会の絶対精神は、惰弱な一念を乗り越えて、力強い人生を歩むという、大聖人のお心に叶った「現世安穏」の生き方を志向する者の必須条件といえる。