蓮華

蓮華

【れんげ】


蓮華はウトパラ、紅蓮華はパドマ、白蓮華はプンダリーカと区別する。蓮は古来から尊ばれ、現在もインドの国花。泥の中に根を下ろすことから、生命力・豊穣を表し、朝開いて、夜閉じることから、太陽とも同一視されてきた。

仏法では、迷い(泥水)に染まらぬ悟りを象徴。花と果(み)が同時になることから、因果倶時を表す。プンダリーカの音訳が「分陀利華(ふんだりけ)」。

蓮華(ぐれんげ)は現在でも「紅蓮の炎」などと使われている。仏法では紅蓮地獄とも説かれる。


 紅蓮地獄と申すはくれなゐのはちすとよむ、其の故は余りに寒につめられてこごむ間せなかわれて肉の出でたるが紅の蓮に似たるなり、況や大紅蓮をや、かかる悪所にゆけば王位将軍も物ならず獄卒の呵責にあへる姿は猿をまはすに異ならず、此の時は争か名聞名利我慢偏執有るべきや(「新池御書」1439頁)


尚、蓮華が妙法を譬える為に用いられる理由として、「因果倶時」の法理をもっとも適当に表すことがあげられるが、参考までに他の草花が妙法を表すに堪えられない事由として、


1.「有華無果」イチジク(無花果)のように、華咲かずして実がなる(もっとも葉の際に生ずる)。

2.「有華無果」ヤマブキ(山吹)『集義和書八』に、「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに なきぞかなしき」のように、華は咲くが、実がない。

3.「一華他菓」ゴマや芥子

4.「前菓後華」稲や瓜

5.「一花一華」柿

6.「多華一菓」桃や李

7.「前花後菓」一切の草木のほとんど。花は菓の因であるが、因果・一多・前後があって、蓮華のみ因果倶時であり、微妙(みみょう)清浄(しょうじょう)の為、解の「妙法蓮華」として用いられた。


また天台の『法華玄義序』においては、

1.「為蓮故華」(施)

2.「華開蓮現」(開)

3.「華落蓮成」(廃)

の三義を立て、譬喩蓮華の義を釈した。これは、草花としての蓮華の生成は、妙法蓮華に似ているので、妙法蓮華の譬喩として、釈したものと定義する。

≪本有無作/当体蓮華

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