譬喩品

譬喩品

【ひゆぼんだいさん】

法華経譬喩品第三のこと。譬喩品は三周の説法のうち喩説周である。

迹門正宗分のうち広開三顕一は、三周の説法で始終するのである。その法説周においての正説は方便品で説かれるが、この時、上根の舎利弗一人が諸法実相の妙理を悟って、そして三乗を開いて一乗を顕すことが成仏の法であることを領解し、その舎利弗の領解に対して、釈尊が承認して、更に相違のないことを述べ、そして舎利弗の劫・国・名号を説いて未来成仏の保証を与え、そこで一座の四衆八部が歓喜して、法説周の一段の法門は終わるのである。

そこで舎利弗は、他の声聞が未領解であるから、釈尊に向かって詳説を請い、爾時舎利弗白仏言世尊(にじしゃりほつびゃくぶつごんせそん)から始まって、釈尊は三車火宅の譬喩を説かれるので、これがこの品の譬説周の正説段をなすのである。

この三車火宅の譬えによって、三車三乗の権を開し、一車一乗、すなわち大白牛車の実を顕すのである。

尚、この品には「若し人信ぜずして、此の経を毀謗(きぼう)せば……其の人命終して阿鼻獄に入らん」と戒められ、驕慢(きょうまん)、懈怠(けたい)、計我(けが)、浅識(せんしき)、著欲(じゃくよく)、不解(ふげ)、不信、顰蹙(ひんしゅく)、 疑惑、誹謗、軽善(けいぜん)、憎善、嫉善、恨善(こんぜん)の十四誹謗が説かれている。