麻畝の性

麻畝の性

まほのしょう】

蓬(よもぎ)のように真っ直ぐには生じない草でも、麻畠の中に生ずれば、周囲の麻と共に自然に真っ直ぐに成長することをいう。すなわち、邪法を信じ、誤った思想に陥った者も、正法を持(たも)つ者に感化されて、正しい思想をもつようになること。「畝」の訓読みは「うね」。


一、麻畝の性と成る文。

「麻畝」の両字は詩経五に云く「麻を芸うること之を如何せん、その畝を衡従す。妻を取ること之を如何せん、必ず父母に告ぐ」と云云。史記六十 十二に云く「蓬の麻中に生ずれば扶けざるに自ら直し。白沙の泥中に在れば之が与に皆黒し」と文。友を選ぶべきこと要なり。大論十四 五に云く「人に三業あり。諸善を作すに、若し身口の業善あれば意業も自然に善に入る。譬えば曲草の麻中に生ずれば扶けざるに自ら直きが如し」と云云。当に知るべし、今この意に准ずるに、縦い名聞の為にもせよ、若しは利養の為にもせよ、身に妙法の行を立て、口に妙法の行を説け。或は身を仏前に運び、口に妙名を唱えよ。若し爾らば意業は自ら妙法の大善に入るべきなり云云

【「安国論愚記」日寛上人】