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2007-09-03ホイットマン

ホイットマン

【Walt Whitman】

(1819年~1892年

アメリカ国民詩人ニューヨーク州ロングアイランドに生まれる。6歳頃から初等学校日曜学校に通うが、11歳のとき退学、弁護士事務所の給仕になる。翌年から印刷職工として新聞社や印刷工場で働きつつ、ホメロス千一夜物語ウォルター・スコット小説などを読んで独学。1836年から2年間、各地の小学校の教員をし、その後約10年間、各種の新聞雑誌記者として働く。1840年退職し、諸新聞に投稿するかたわら、父を助けて家屋建築仕事に携わる。1855年、詩集「草の葉」初版自費出版。内容的にも方法的にも伝統を破った詩風に、世界は軽蔑と嘲笑をもって答えたが、敬愛していた詩人エマーソン(1803年~1882年)から称賛の手紙が彼を励ました。1862年から1864年にかけて南北戦争に参加し、負傷兵の治療看護に奔走。その過労から健康を崩したが、創作意欲は衰えず、論文民主主義の展望」「戦時備忘録」「自選日記」等の著作を発表。次第に名声高まるなか、「草の葉」の増補改訂を行い、1892年に第9版を発刊。初版では92㌻にわずか12編の詩を収めていた詩集であったが、四百余編を収める巨大詩集へと膨れ上がった。同年、肺炎で死去。ホイットマンは、脚韻や韻律といった詩の形式にとらわれることなく、また既成の道徳観念を大きく超え出て、性や肉体といった、あるがままの人間性を賛美した。彼の詩は、アメリカの大地に生きる民衆とその開拓精神への共感に貫かれており、アメリカルネサンス期を代表する国民文学として揺るがぬ地位を誇っている。日本では夏目漱石内村鑑三による紹介、また有島武郎等の訳業を通じて、白樺派をはじめ明治大正文学界に多大な影響を及ぼした。