yasuyo-yoの求道辞典

2007-09-04変毒為薬

変毒為薬

【へんどくいやく】

「毒を変じて薬と為す」と読む。大智度論巻百の『大薬師の能く毒を以て薬と為すが如し」の文に由来する。天台大師はこの文を承けて、法華玄義巻六下に「譬えば良医の能く毒を変じて薬と為すが如し。二乗の根敗して反復すること能(あた)わざるを、之れを名づけて毒と為す。今経に記を得るは、即ち是れ毒を変じて薬と為す」と釈している。空理に沈み、灰身滅智して永遠成仏できないとされた二乗でさえも、法華経の功力によって成仏の記を受けたことを譬えている。末法今時においては、三大秘法のご本尊の功力が一切衆生煩悩や苦悩を転じて、即身成仏させること。四条金吾殿御返事に「竜樹菩薩の大論に法華経の一代にすぐれて・いみじきやうを釈して云く『譬えば大薬師の能く毒を変じて薬と為すが如し』等云云」(1184㌻)と述べられている。また、始聞仏乗義(984㌻)には毒を煩悩・業・苦の三道、薬を法身・般若解脱三徳と示されている。このご本尊の大功力も、信の一字によって受けることができる。病気や生活苦などの苦を信心によって転換し、大功徳の生活を確立できることなどは、変毒為薬の一例である。太田入道殿御返事には、法華玄義巻六下、摩訶止観巻六下、止観輔行伝弘決巻六の三の文を引かれて、「天台此の論を承けて云く『譬えば良医の能く毒を変じて薬を為すが如く・・・・・・』云云・・・・・・止観に云く『法華能く治す復称して妙と為す』云云、妙楽云く、『治しきを能く治す所以に妙と称す』云云」(1009㌻)と述べられている。